こんばんは、ぽんとんです。
たまには攻撃的なタイトルにしてみましたw。
前回、SBI証券の「株券担保サービス」を紹介しました。
株券を担保にすれば、ほぼ現金0円でFXを運用できるサービスです。
「ほぼ」と書いたのは、多少は現金を入れておいたほうがよいと思えるからです。
詳しくは前回の記事を。
私はこのサービスを使って「ユーロ・ズロチのスワップサヤ取り戦略」を始めました。
「ユーロ・ズロチのスワップサヤ取り戦略」ってなんぞや?
ここでいうズロチとはポーランドズロチ(PLN)のことです。
まずは下のチャートを見てみてください。
※SBI証券のサイトより
両者、だいたい相関して見えます。
相関性が高いので、片方を買って片方を売れば値動きはある程度相殺されます。
それだけだと何の旨みもないのですが、スワップポイントに着目すると、
「ユーロ/円」を売ればスワップポイントが貰えます。
そして、
「ズロチ/円」を買えばスワップポイントが貰えます。
つまり、「ユーロ/円」を売って「ズロチ/円」を買えば、値動きの変動リスクはある程度低めに抑えつつ、スワップポイントだけ2重にタダ取り出来るという夢の通貨なのです。
ちなみに両者の相関性が高いとはいえ、「ユーロ/円」を売って「ズロチ/円」を買うということは、「ユーロ/ズロチ」という通貨ペアを売っていることと同義です。
つまり為替変動はやはりあるわけで、なにかイベントが発生すると大きく為替差損が発生しうることは失念しないようにしたいところです。
上のチャートではリーマンショックのあった2008年近辺では、両者とも動きの方向性は同じとはいえ、値動きの幅は結構違って見えます。
つまり「ユーロ/ズロチ」は大きく動いたということです。
そういうこともあることは注意しておきたいところです。
この投資戦略を解説している他ブログさんは結構在りますので詳しくはそちらのお任せするとして、ここではその手法を「SBI証券」で行うということについてみていきます。
「SBI証券」でこれをやっている方が見当たらなかったもので。
SBI証券のFXαでこの手法をやってみる。
この手法は、「FXプライムbyGMO」などのスワップポイントが多くもらえる証券会社で行うのが一般的なようです。
でも私の場合は冒頭の「株券担保サービス」を使って資金効率を高めたいため、スワップが低めの「SBI証券」のFXαでやっています。(「SBIFXトレード」ではありません。)
「SBI証券」のFXαと「FXプライムbyGMO」の比較をしてみました。
SBI証券FXα | FXプライムbyGMO | |||
ユーロ/円 | ズロチ/円 | ユーロ/円 | ズロチ/円 | |
スプレッド | 1.4銭 | 8.8銭 | 0.9銭 | 5.9銭 |
取引単位 |
10000通貨 |
10000通貨 | 1000通貨 | 1000通貨 |
スワップポイント |
8円くらい |
8円くらい (買い時) |
3円くらい (売り時) |
15円くらい (買い時) |
必要保証金率 |
4% | 10% | 4% | 4% |
ロスカット率 | 30-90%設定可能 | 80% | ||
取引手数料 | 無料 | 1万通貨以上は無料。 1万通貨未満は1通貨あたり片道3銭 |
スプレッド
実質的な手数料であるスプレッドは「FXプライムbyGMO」のほうが少なく済みます。
取引単位
この手法では、「ユーロ/円」:「ズロチ/円」を1:4.3の比率で取得するがセオリーです。
普通は、
・ユーロ/円(売り) … 10,000通貨
・ズロチ/円(買い) … 43,000通貨
を1セットと考えるのが一般的なようです。
そうなると「ズロチ/円」を1000通貨単位で取引できる「FXプライムbyGMO」のほうが便利そうです。
でも、1:4.3の比率で取得できればいいわけなので、
・ユーロ/円(売り) … 7,000通貨
・ズロチ/円(買い) … 30,000通貨
というように「ズロチ/円」側を10000通貨単位になるような1:4.3の比率にすれば「SBI証券」でも問題なさそうです。「ユーロ/円」であれば「SBI証券」でも1000通貨単位の取引は出来るので。
スワップポイント
スワップポイントは日によって変わってくるので最近のだいたいの値を表記しています。
貰えるスワップは「ズロチ/円」でみると「FXプライムbyGMO」のほうが断然有利ですね。
「ユーロ/円」のスワップは「SBI証券」のほうが有利なようですが、前述の通り、「ズロチ/円」は「ユーロ/円」の4.3倍の量を持たなければならないので、「ズロチ/円」のスワップが大きいということが全体のリターンに大きく影響してきます。
必要保証金率、ロスカット率
「SBI証券」の場合、「ズロチ/円」の必要保証金率が10%も必要になってくることは注意が必要です。
そのかわり「SBI証券」のロスカット率は手動で30%まで下げれるので、「FXプライムbyGMO」とどちらがいいかはよくわかりません。
資金管理さえしっかりできるのであればあまり問題ないかと思います。
具体的な実践例
ここで高配当株で人気のJT(2914)株に例として登場してもらいます。
このJT株を「SBI証券」の株口座で400株持っていて、その株価が2,500円だとします。
株資産100万円です。
その株を「株券担保サービス」を使いFXの担保とします。
そうするとその70%の70万円がFXの資金として扱えます。
担保だけの運用は不安なので、念のため現金5万円を追加入金しておきます。
【資金】
・担保分70万円
・現金5万円
…合計75万円
他ブログさん達の解説によると、
・ユーロ/円(売り) … 10,000通貨
・ズロチ/円(買い) … 43,000通貨
を1セットとして、20万円~25万円で運用するのがだいたいの相場のようですので、ここでは1セット25万円で運用するします。
そうすると3セット分運用できます。
つまり、
・ユーロ/円(売り) … 30,000通貨
・ズロチ/円(買い) … 130,000通貨(※)
で運用するとします。
※本当なら129,000通貨ですがSBIでは1,000通貨単位では取引できないためこの値に近似。
これで1日当たり
8円くらいx3 + 8円くらいx13
=128円くらいのスワップポイント貰えます。
1年なら46,720円くらいです。(1年間同じ条件が続くと仮定すればですが。)
そうするとこんな運用になります。
【資金】75万円(担保分70万、現金5万)
【想定スワップ】46,720円
【想定年利】6.2%
となります。
参考までに「FXプライムbyGMO」にて現金75万円を用意して同じ運用をすれば下記のようになります。
【資金】75万円(現金75万)
【想定スワップ】74,460円
【想定年利】9.9%
ふつうに年利10%弱となり、「SBI証券」でやるより1.5倍以上は狙えるのですが、「SBI証券」の「株券担保サービス」を使う例だと入金額はたったの5万円です。資金効率的にはこちらのほうが強力です。
この「SBI証券」のJT株を使った例を、”入金額はたったの5万円だけじゃん!”という観点で見てみると…
【実際の入金額】5万円
【想定スワップ】46,720円
【想定年利】93.4%
なんと年率93.4%!!!
まぁこの見せ方はちょっとずるい極端な見方なので、もともと持っている株を含めたトータルで考えてみましょう。
【資金】
・JT(2914) x 400株で評価額100万円
・現金5万円
…合計105万円
【想定インカム】
・JTの配当 154円 x 400株で、61,600円
・「ユーロ/円」、「ズロチ/円」のスワップ、46,720円
…合計108,320円
【想定年利】10.3%
となります。
配当利回り6%近くの高配当株が、さらにパワーアップして10%を狙える超高配当株に化けました。
まとめ
資金に余裕がある人で「ユーロ・ズロチのスワップサヤ取り戦略」をやりたい人は普通に「FXプライムbyGMO」でやるのがシンプルです。
でも長期保有目的でガチホしている株や、泣く泣く塩漬けにしている株がある人は「SBI証券」の「株券担保サービス」を使って再利用するこの手法をやると資金効率がアップできます。
実際には担保となる株の価格変動に加え「ユーロ/ズロチ」の為替変動ももれなくくっついてくるのでリスクもアップしますが…。ちゃんと資金管理しながら運用しないといけないです。
上記例では計算しやすかったのでJTを例にあげましたが、担保元となる株部分は個別株なんかよりはもっとボラティリティの低い債券ETFとかがいいとは思います。
私の場合はナスダック100指数連動のETF「NASDAQ-100連動型上場投信(1545)」と、高配当のJ-REIT、インフラファンドを担保元として運用しています。
1545は結構ボラティリティが高いのであまり担保にはしたくないところです。
もしナスダック暴落やズロチ暴落が重なるなどのピンチが来た場合は入力する現金部分を追加するつもりで準備しています。
では本日はこれにて。
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